目覚めのコーヒー。
ほのかに香るあのフレグランス。
まだ寝ぼけている頭にゆっくり朝の訪れを知らせるようだ。
朝はブラックに限る。
甘さもクリーミーな優しさも要らない。
ツンと刺激的な苦味が自分に足らない気合いを補ってくれるようだ。
後押しするかのように、カフェインが体の隅々までほとばしる。
時間をかけて飲みきるまでの間、車は東へ進路をとって走り続ける。
熱めのコーヒーの温度が冷める頃、最後の一口を流し込みながら目的地へハンドルを切った。
しかしながら自分の性格とは実に曖昧で、
コンビニコーヒーを買えばミルクと砂糖を入れる。
コーヒーのクオリティーもあるのだが、この2つを入れないと損した気分になる。
ディスカウントショップでブラックを買い置きすれば、
冷たいままの缶コーヒーの朝もある。
本当は挽き立て入れたてのレギュラーが良いのに、
都合良くあるもので済ませてしまう。
こだわりは堅実な現実に翻弄されてしまう。
それを柔軟さと言い聞かせて飲み干している気がした。
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