2018年7月21日土曜日

ストレート

呼び出しのCALL。
不穏な空気感。
冷静さを装おってみる。

「すみません」
「大丈夫です」
「申し訳ございません」

同じ言葉が行き来するパラドックス。
仮面の下で表情を固くする。
優しい時代になったのか。
生ぬるい感覚に苛立ちさえ禁じ得ない。

私が暴走しないように、
先手で鎖に繋がれている。
その呪縛を解くことは容易だけれど、
思い浮かぶその先には辿り着かないようにクールダウン。
沸き上がる感情を抑えつけた。
少し機械的な自分になりつつ、
完璧な対応でその場を乗り切るのだ。

「邪魔臭せえ」
「面倒だな」
ご機嫌斜めの自分の口癖である。
先を瞬時に読む事で危険回避してきた経験からすると、
見え透いた嘘など予測の範囲にさえならない。

間違ってても前に真っ直ぐ突き進めと説いてみる。
思い通りにいかないのは、無駄な努力もしないからだと言い聞かせる。
かつての自分を振り返りながら言葉を絞り出す。
視線の先に怯えたような佇まい。
反抗することも、抵抗することも出来ずにいる。
私が怖いのだと言う。
動物的勘みたいなレベルで恐れているようだ。

「出来ない約束するんじゃねーよ」

偉そうに投げ掛ける。
自分にも跳ね返る言葉でもあるだろうけど。
ストレートに生きていく様を伝授するのだ。
自分の不器用さはひた隠しにして。

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