2018年7月12日木曜日

サヨナラ

会うたびに切なくなる。
別れの時が来ることを知っているから。
想いを重ねても変わることのない距離感。
もうこれ以上辛いのなら何事もなかったかのように、
笑顔でサヨナラと言ってあげるわ。

伝えたいことは嘘に紛れて、
聞きたいことは心に閉じ込めているの。
叶わない約束の数が増えるだけついた溜め息のように、
この部屋は虚しさで満たされてしまうの。
あなたは気付かないでしょう。
今この瞬間を生きているだけのあなた。
ほんの少し先の未来さえも見ないふり。
それでも良いのと言い聞かせて強がる私に、
見える明日はぼやけてしまうの。

何故かしら。
どこか遠くに逃げ出してしまえばいいのに。
この扉を開けて今すぐに飛び出せば、違う明日に出会えるのに。
ここにいることが繋がる全て。
別れの時を繰り返すばかりなのに、また会えるそんな気がして。

心の隅が埋まらないからつい探してしまうの。
初めて会った頃の温もりを。
きっと見つからないと分かってても。

サヨナラを言うわ。
きっと笑顔でね。
再会の約束はしないけど、あなたの帰りを待ってるの。

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