2020年1月12日日曜日

わがままな君

サヨナラまであと少し。
出逢った時からそんな時間が過ぎていく。
手を振って笑顔でお別れするためにここにいる。
虚しいと嘆くまでもない。それが約束なのだから。

待ち合わせも偶然に任せて、過ごすひとときも必然ではない。
どこに向かうのかなんて宛もない。進めばその先に別れがある。
少し前を歩く君が振り返る時に告げるサヨナラに、どこかで物語のエンディングを待ち望んでいた自分が見える。

それは遥か遠くの記憶。
そして忘れ難き心の欠片。
もう二度とないであろうあの頃の無垢な煌めきに、いつしか憧れる自分を感じていた。

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