2020年1月11日土曜日

読み解く不可解な想定の事象

近年実に通常の感覚では計り知れない犯罪が起こっている。
年末から新年に架けてその裁判による審議が始まり報道されている。
忘れかけている事件の内容を掘り返し、その残虐性や不条理な動機など露になるのだが、必ずと言って良いほど弁護士による「心神耗弱状態による責任能力の衰退により無罪主張」を提示し、精神鑑定を要求することだ。これはもはや凶悪犯罪が起こりうるメカニズムを根底から否定し、法の元に平等と謳う国家の原則を乱用しているにすぎない。先進国ならではの裁判システムのバグのようにしか思えない。
裁判にて有罪確定するまでは「推定無罪」というのが原則らしいが、多くの目撃者の前で罪を犯し、現行犯逮捕され、自白までしても、「推定無罪」なのである。おかしな話だ。

法廷で謝罪の言葉もなく、自身の主張を繰り返し、自ら極刑を望もうとも、過去の判例を引き合いに減刑されるケースがあることを逆手に、どこまでも態度を変えない罪人の言動を、新年から報道で見聞きしている。
被害者感情を無視している訳ではないと思いたいが、裁く側に法が平等という原則論が欠如し、重罪に厳罰のバランスが傾いて見える。映画で描かれるヒーローでさえ、正義のために多くの犠牲や破壊を尽くし、法で裁かれることが出来ない悪に立ち向かうのである。そういう映画が多く作られる背景には、法制度の脆弱さが常に問われているに違いない。

現行の立法制度を批判し続けても仕方ないのだが、それらを行使しなければ生きづらい国家になっている現状を改革しなければ、安全国家といわれた国も神話に終わるだろう。

確かトムクルーズ主演で、犯罪予備軍を予測し身柄を確保すると言ったストーリーの映画があった。AIを駆使し犯罪抑制をするが、その機関のエージェントである主人公がターゲットになり逃亡。隠された陰謀に立ち向かうと言ったストーリーだったと思う。
人の趣味嗜好を分析し、傾向・対策を講じれば予備軍確保ができる日が来るのかも知れない。無実であれ、罪を犯す前に予防できるのが賢明であるかのようにも思える。
ただし無実の一般人を拘束する世の中は異常でしかないとも言える。

犯罪の無い世界を願う。
国同士の争いでさえ収まらない現代だが、願うしかないのである。

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