2018年6月29日金曜日

雨音

余韻に浸りながら迎えた朝。
雨が降るみたいだよって教えてくれた言葉通り、少し強めの雨が降っていた。
どちらかと言えば雨は好きな方ではない。
雨にまつわる思い出も寂しくもあり、きっとそういうのも理由なのかも知れない。

雨は涙に例えられる。
歌や詩の世界では時にそんな比喩として感情を表現している。
分かりやすい例えだけれども、答えを探せばきっとこうだ。
自分はその雨の中佇む人に、どれだけ傘を差し伸べられただろう。
あまり大きくない傘だけど、濡れてしまわないようにと優しく声を掛けることが出来ただろうか。
「ありがとう」と言い残して雨の中を進む人もいる。
「ありがとう」と言いながら結局二人とも濡れてしまうこともある。
傘の大きさより日差しが差し込む時を待つのが正解だったり、
雨宿りしているほうが楽だったりもした。

今の自分は傘を持たない。
きっと置き忘れてしまったのだろう。
それがいつなのか。それさえも思い出せないけれど。

ただ心の雨が降らないように願うばかり。

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