2018年6月29日金曜日

秘密と嘘と誘惑

夜に散りばめられた宝石達。
手にする権利は平等でも、輝きを引き出すのはほんの一握りでしかない。
多くはあからさまな勘違いで終わる裸の王様だろう。
無知と貪欲をひけらかして時間を食い潰す輩は厳しい。
懐から気前良く魔法のチケットを差し出せば、願いが全て叶うとでも思っているのか。
表情に出さない強さを悟ってあげられる余裕など持ち合わせていないのだろう。

出会った瞬間に相手の印象を分析する能力は一流だ。
自分との距離感を適度に保ちながら、合間を詰めていく。
自分の領域に引き込めばきっと楽に時間が進む事を知っているから。
中には踏み込まれたくない領域に入り込もうとする連中を交わしつつ、
夢のような一時を演出してくれる。

秘密も嘘も誘惑も必要な条件だと思う。
全てを受け入れて望むからこそ、満たされる幸福感がある。
時に秘密の一つを知ったとしても、それは自分の秘密が増えたことでしかない。
そこに嘘があっても、誰かを傷つけたりしなければ良いのだ。
勝手に傷つくのは、真実の重みを分からない愚か者に過ぎないから。
誘惑は魅力を感じられるからこそ生まれる。
そして誘惑は相手からではなく自身が感じ取る感覚であることが多い。
だからこそ抜け出せなくなるのだ。

私は弱く、脆く、臆病でしかない。
しかし仮面をつけて、自分以外の人間を演じられないのだ。
表も裏も変わらない自分がそこに居て、快く受け入れられていることが幸せ。
あなたのことは何一つ知らなくても、共に過ごした時間はかけがえのない空間。
約束のない再会。
その時を待ちわびて···。

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