2019年10月13日日曜日

辿り着いた先に

「まだ・・・」
目的も目標も見定まっていないままだ。
ただゆるりと歩を進めている様に感じる。
思いも考えもまとまらず、空虚な頭が下を向く。
「また・・・」
呼び掛ける声は遥か彼方の幻想。
あの地に向かえど誰もいない。
時代は変わった。
それを指し示す新しい航海図がそこにある。
冒険をするには遅れてしまった。
何もかも。

まだ見たことのない異世界。
好奇心だけが掻き立てる欲望。
ただその行動が人生の最たるものを消滅させる危機を匂わす。
華やいだ幻想は足元から腐敗の蜜を吸い上げる。
少し冷静な自分は悟ったかのように息を吐く。
理由のない行動に背を向ける。

見えない楽園。
辿り着いた先のその先が見える。
それは振り出しの孤独。
それは終末の虚空。

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