真冬の時期には当然のように少なく、暖かくなって増えるものといえば、
「日本一周」の看板を掲げたサイクリング野郎である。
多くの荷物を荷台に括り付け、その後方に何故か段ボールに手書きのスタイル。
貧乏旅行を猛アピールといったところか。
良く見ると高価なロード車にサイクリング用のスタイル。
それだけでかなりの金額ではあるのだが、基本的な所にお金を掛けているだけなのでそこは理解しよう。
しかしながら、あの段ボールに手書きの日本一周は何故定着したのか。
中にはお手製感丸出しののぼり看板までなびかせている者までいる。
日本一周をする理由の多くは単純に言えば自己啓発であろう。
そして人との出会い、ふれあい。
肌で感じて何かを学びとりたいという高尚な考えなのであろう。
それには贅沢な旅は不必要なのである。
貧乏旅こそが人との出会いや交流を生むのである。
かつて全国行脚をしていた僧侶などのように、僅かな施しが旅を繋ぐのである。
しかし僧侶のような出で立ちでなければ、ただのサイクリング野郎にすぎない。
施しも交流も期待できないのである。
しかしながら秘策はある。
多くの荷物にあわせてマストアイテムとしての一品。
段ボール看板の効力が発揮されるのである。
このアイテムの凄さは計り知れない。
若者の無謀な挑戦を後押ししたい人達を駆り立てるのだ。
食事や飲み物を提供し、寝るところまで用意する人もいるほどである。
短期間のアルバイトを受け入れ、資金提供に協力する優しい人もいるようだ。
ここで思う。
段ボールにインパクトのある計画を書いて放浪すれば、人間そこそこ生きていけるんじゃないかって。
まぁ、それは飛躍しすぎですが···。
ちなみに日本一周する人を見ると、
「頑張ってるのかな」
と思いつつ通りすぎます。
私には段ボールよりネオンの看板の方が影響力ありそうです。
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