2019年3月23日土曜日

甘い罠から読み解くもの

その心に隙があれば、一片の迷いもなく入り込んでくるかも知れない。
それは時に誘惑となり、抜け出すことの不可能な輪廻のように巡り続ける。
他人よりも多くの経験を積んだとか、深い世界を垣間見たとか、事実を自身のフィルターで凝縮して語るには肝心のピースが足らない気がする。

ある方の言葉に興味をもって読ませて戴くことがあるのですが、
まだまだお若いからでしょうか、底無しの底辺や天空からの糸を絡ませるような文章を書かれる時がありますね。
理解して欲しいという着地点にはまだまだ不安定な土壌が広がっているようです。
手の届きそうな幸せに近づけず、踏み出せど思うように進めず、でも自分を諦めない日々の呟きは若いなりにも自分への戒めなのでしょうか。
沈んでしまった立ち位置と引き換えに得た報酬と代償。
その天秤が左右に振れる度に真実とは違う人の流れを受け止めなければならない。

冷静に受け止めれば過去の自分が積み上げた贖罪。
そう捉えて自らを追い込み続けて苦しくなるのだ。

逃げ場のない現実とかけ離れた仮想世界を行き来する。
仮面の下で浮かべる表情を読まれないように近付く魔物達。
触れ合う度に価値のない物理的なやり取りが交わされている。
コップの水が表面張力の限界値を越えて溢れ出すように、
言葉が一面を埋め尽くしている。

必要な経験と不可避な体験。
否応なく刻まれる記憶に翻弄されながら生きていく。
救いの手は苦い。
口にするのも躊躇われる良薬なのだ。
甘い罠こそ深みの連鎖だと知りつつも、弱さを身に纏うものに優しく微笑むのだ。
痛みさえも、苦しみさえも、過ぎ去りし棘の道さえも消し去る。
その選択を間違わないように祈りの日々が続く。

0 件のコメント:

コメントを投稿