2019年8月17日土曜日

永遠

時の過ぎ行くままに身を委ね
決して戻ることも願わずに
ただ揺らめきの心の空白を
埋める事が出来たのなら

すれ違うことが運命でも
一瞬の関わりがあるのだとして
信じる全てを与えてくれる
嘘偽りのない夜の夢

儚く消える泡のように弾けてみえる
ガラスの向こうに映る景色
取り戻せない
巻き戻せない
教えてくれる優しさが
小さな痛みとなって残っている

永遠だなんて求めないけど
永遠だなんて信じないけど
その距離感に惑わされていたかった

触れると壊れてしまいそうで
指先が逸れる道筋を探していた
想えば燃え尽きそうで
心が凍る程の嘘を探していた

行き先を告げずに立ち去っても
それは不思議なことではなかった
別れの言葉が届かなくても
また会えるなんて期待しなくていい
最初から分かってるはずの幕引きに
立ち止まる選択などあり得ないのだから

永遠だなんて求めないけど
永遠だなんて信じないけど
その距離感に惑わされていたかった

時計の針が重なって
やがて次の刻(とき)を指す頃
扉の向こうに消えて行く幻
誘惑を束ねた灯りも小さくなり
ざわめいた街が引き潮のように
音のない世界へと移り変わる

罪な台詞が嘘に舞う
愚かな夢が見え透いて
どちらでもない立ち位置の
稀薄な正義など求められるはずもない

交わす約束なんて
果たされない暗黙に溶けている
満たされない願いが紛れている
許されない真実が潜んでいる

欲望の赴くままにと足を踏み入れたとしても
抜け出せなくなるのが怖くて躊躇った
誰一人として傷付けず通り過ぎるなら
何も残さないで消えるだけ

そこにあるのは移り行く時代の欠片
彩り華やぐ場所は永遠に途切れはしない
繰り返される宴のように
新たな光をちりばめて輝く
その星の瞬きを遠くで感じるほどに
純粋であるかのような様を追い求めよう








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