真実を求めるがゆえに情報の渦に飲まれる。
溢れんばかりの嘘の中から本当の事を拾い出そうと試みる。
但し自分に都合のいい言葉が形を成してしまい、やがてそれこそが揺るぎない真実だと主張するようになる。
いつしかその鎧を脱ぎさろうとて叶わぬほど、本来の自分が弱くなっていく。
鎧は鎖に繋がれ厚い壁に埋もれていく。
その重みで静かに沈んでいく恐怖をどこかで感じながら、もがくことさえ出来ずに宙を仰ぐ。
無垢であった始まりは、漆黒へ淀みなく踏み込んでしまった。
助けを求める声も虚しくやがて力尽きる。
全ては終わりを告げる為の積み重ねかのように。
時は過ぎ自分が存在し続けていたとしたら、光の先に導かれるがまま進むだろう。
音もなく、あらゆる雑念と欲望を振り払い進むべき道へ。
その先にあるものを見届けよう。
終わりの先の始まりを。
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