2019年6月3日月曜日

利権と公益性の滑り台

約20年前だったろうか。
空前の総合格闘ブームの時代があった。
多くの団体があり、様々な格闘家達が入り乱れて戦っていた。
そしてネットがまだ浸透していない時代ゆえに、地上波やBSなどで映像が流れる。
ゴールデンタイムに特番が組まれ、無名の選手が一瞬で王者としてのスターダムにのしあがる。その瞬間を見逃すまいと見入ったときもあった。

栄枯衰退を経て残った団体。新たに創設された団体が今の格闘ブームを支えている。
昨日は生中継で総合格闘技の試合があった。
このところ興味も薄れ見ていなかったジャンルであるが、対戦カードを前もって知って見たくなり、仕事の時間と重なるため録画して見ることにした。

3本あるスペシャルマッチの2本は女性の戦い。
ショーではなくプライドをかけたガチの戦いは胸を熱くさせてくれた。
最終メインは神童と呼ばれる2冠王者が、新たなる世界王者に挑むという一戦。
序盤互いに譲らず、どちらかと言えば元王者に優勢にも見える展開だった。
ただ元王者が額のカッテイングをドクターチェックされることで流れが変わった。
試合は継続されたが、傷と共にダメージも深かったらしくKOされるのである。
神童勝利。3冠達成。会場は湧いていた。
しかし地上波を見ていた観客はその瞬間の「生中継」を見ることが出来なかったのである。
ドクターチェックが始まるや否やCMがぶっこまれた。
ドクターチェックに要する時間に規定こそ無いだろうが、CMは決められた秒数があるはず。
30秒か45秒か1分か。CM明けにまるでリプレイのようなダウンが飛び込んでくる。
そこで試合は終わるのである。
見たいのは鍔迫り合いの攻防ではなく、その瞬間なのである。
ましてや、生中継であるならオンタイムで見たい。流れを切り取られず見たい。そう思うのが普通なのだが、ディナーのコース料理のメインを食べ損ねてデザート行ってる感じ。
ミルフィーユ食ったあとにフィレステーキ食えるか?ってね。
(食べれなくはないが例えるならである)

その後運営サイドが謝罪文を公開していた。
つまりCMのタイミングの主導権は運営にあったということか?
通常は基本、試合のインターバル(60秒)をCMに当てているのだが、試合の継続中にやらかした運営は格闘家ではなく事業家なのであろう。
試合の流れはわからなくても、お金の流れはわかる。
でもスポンサーもこのタイミングで入れるんかい‼って言いそう。

その後ど深夜に「天龍源一郎引退試合ドキュメント」やってました。
CMのタイミングは絶妙でした。

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