2019年12月15日日曜日

R18に挑む訳

つい最近R15指定の作品を見た。
今の映画作品は年齢指定が細分化されていて、上映や鑑賞の際に注意が必要と言う認識である。その考えや根底にある時代背景(犯罪に影響をもたらした可能性)を否定こそしないが、言論や報道の自由といった法の下の平等は、安全安心の神話を構築するために削られていっている気がしてならない。
興味がある世代には与えず、成人には与えようというのは、結局検挙出来るかどうかの差でしかなく、無知なる者は幾つになっても変わらないとは思うのだが。理想を積み上げれば今の時代の生きにくささえ、抜け道を知るものにしてみれば関係のない緩い世界でしかないのだろう。

それにしても、日本映画であえてR指定の作品を描くのか?
AVというジャンルが一般化して、成人映画的なものは衰退していったはずなのに、興行的にも利幅が薄く、ドラマチック描こうにもシナリオが軽く見える気がしてならない。

今回見た作品で言えばこうである。
アングルもワンカメの構図が多く、安く作っているのがわかる。
見た作品は有名な役者は一人もいない。展開も急すぎて辻褄が合わず苦しいが、感情が噴き出すようなシーンでは、役者の迫真の演技が冴えていてそれなりに見ごたえがあった。でもラストシーンは意味不明な終わりだった。
きっと何度も見るような名作ではない。
故にある味わいを自分なりに見つけて楽しむ作品なのだろう。
どうも日本のこの手の作品は、貧しい、寂しい、悲しいを絡ませるのが定番過ぎてつまらない。

でもそのチープさが何となく良い気がしたのである。
何となく。



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