2020年3月9日月曜日

このコトバつかうなかれ

魔法使いが摩訶不思議な現象を引き起こすときに使う言葉。
「呪文」
そのまま読めば「呪いの文」である。
なぜこのような表現になったかは定かではないが、不思議な力を操る裏では、その代償となる災いがあるとも読み取れる。

アニメや漫画では可愛らしく描かれる魔女(っ子)や、有名なシリーズの魔法使いは勇ましく、決して怖い存在ではないが、中世欧州においては不思議な力を有する者は、男女関わらず「魔女」として忌み嫌われ迫害を受けてきた歴史がある。時には無惨な仕打ちによって命を落とした人もいるようだが、迷信や得たいの知れない疫病の対抗手段だったのだから、何とも言い難い。

現在は魔女の存在など信憑性に欠けるところだが、「呪文」は至るところで唱えられている事にお気付きだろうか?
新型ウイルスで紙製品が不足すると言ったデマも、有効な「呪文」なのである。
その言葉が信憑性に欠けても、目の前から必要なものが消えていく様に変化し始めれば、人はたちまちその呪文に飲まれていくのだ。
恐怖心を煽る。情報が拡散する。現実味を帯びてくる。
今の社会構造では、この流れに言葉を乗せればそういう「呪文」に成りうるのだ。

罪の意識がない言葉は危ういものである。
言葉選びはその人を表す。
だがその人から離れたところでも伝わるのだ。
形を変え、中身が歪んだとしても、発信元の一言として。

不用意な言葉にご注意。
そう思う今日この頃であった。

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