2018年10月16日火曜日

Letter

未だ会った事もない人の言葉に引き寄せられて、
過去の自分の経験値と掛け合わせてみる。
自分を見失わないようにと虚勢ともいえる信念を貫いて、
傷付いたことも遠い昔に感じる。
その人は直向きで素直に思えた。
飾りっ気の無い文面は誰に向けたものなのだろうか?
通りすがりの自分が声を掛けるのは忍ばれるところだが、
広く開け放たれた空間に置き手紙をすることは罪ではないような気がした。

追いたてられるようにすぎた日常が終わって一息つく頃、
「お返事」が届いていた。
あり得ないようで、戸惑うほどの出来事。
見知らぬ差出人に優しく語りかけてくれていた。
大人よりも何処か大人なのだろうか?
自分の稚拙さが恥ずかしくもあり、
遠くの空の下にいるその人に、
懐の深さを感じていた。

言葉に導かれて辿り着いた出会いに感謝。

2018年10月15日月曜日

ビギンズ

休みとかちょっと時間があるとき、
映画「バットマン」をヘビロテしている今日この頃。
3部作なので順番にぐるぐるとね。
見飽きない自分もすごいと思う。

その中でも名言揃いなのが「バットマンビギンズ」
「人の本性は、その人の行動で決まるものだ」
かつての恋人との再会で正体を隠すために派手な演出をするバットマンこと
ブルースウエイン。
しかし元恋人のレイチェルは其を知らず、派手な振る舞いをするブルースに
言い放った言葉だったのだが、バットマンに命を救われた際、
「お名前は?」と問いかけるレイチェルに返した言葉がこれでした。
自分がバットマンであることをさりげなく伝えようとした場面。
グッと来ます。

あぁ、また見よう。

2018年10月6日土曜日

メンテナンスディ

不調だった体に誤魔化しの日々。
痛みを抑える錠剤だけでは解決できない劣化が続いていた。
今日は初めてのカイロプラクティック。
丁寧な説明に聞き入りながら、全身がボロボロだと知らされる現実。
まぁ、予想外の想定内としておきますか。
少し通うことになりそうです。

痛いところだけでなく、老朽化しているみたいなので▪▪▪。

重ねるということ

環境とか状況に応じて様々に変化するもののひとつに年齢がある。
至って年数分の経験値と時間軸の隔たりは否めないけれど、
確かに感じる変化は存在するものでして▪▪▪。

時代の流れとかもあるけれど、
一つのステータスともいえる車に関して言えば、
「走れれば良いかな」などというレベルにまで達している。
若者の車離れが話題になる昨今とはいえ、車がないと生活できない田舎暮らしの自分には欠かせないツール。
ハイブリッドだのEVだの環境に配慮したエコカーや、今人気のゴツいフェイスのワンボックスカーなどにもさほど触手が延びず、年式相応のガタが出てきているマイカーを車検に通して乗り続けている。
記念すべき15万キロは当に過ぎていた。
でもまだ乗るつもりなのでありました。

2018年10月5日金曜日

私の知らない私④

朝が来た。
いつものように。
眠りについて目が覚めたときが朝だというのなら、
窓の外の景色が眩しくても、薄暗く闇を纏っていても構わない。
自然と体が迎えてくれる始まりの、何とも比喩しがたい微睡み。
回らない頭を掻き撫でながら、お決まりの居場所を後にする。

香り高き珈琲を抽出しながら、自分の朝を認識してみる。
カーテンの外とは別世界の部屋を見渡して、
覗き込んだ鏡に写る私と無言の挨拶を交わした。
昨日と決別した筈の境界線が曖昧になってしまわないように消し去った記憶。
取り戻したい思いなんてあってはならないと決め込んで、
リセットするだけのシャワーの飛沫がすり抜けていく。

雨の音が強くなって、静かなだけの部屋を騒つかせていた。
時間を報せる物も無い空間にはモノトーンのような音の広がりだった。
溜め息をひとつついた。
いつのも事だ。

白紙の今日にどんな色が重なろうとも、
終わりを告げて眠りにつけば次の朝に繋がるだけ。

2018年10月1日月曜日

私の知らない私③

目覚めの後は目まぐるしく過ぎ去る日常。
表と裏で言えば表の筈なのに、限られた時間に追われて削り取られていた。
心も身体も。

流した分だけ強くなれるなんて、何処かで聞いた理想。
そのステージに届かない自分の居場所が現実。

ふと夜の静けさを求めていた。
幻想が澱んでいる。
心が揺れる。

心が揺れる。

私の知らない私②

眠れない夜が続く。
意味のない不安が頭をよぎる。
部屋の明かりを消すと耐えられない境界線があるようで、
小さな灯火をいくつか並べている。

瞼が重く呼吸が緩やかになっても、
眠りという状態に転じる事が出来ずにいた。
きっとこのままなら、あの声は聞こえずにいるのだろう。
そう、ふと思った。

「そうなんだ▪▪▪」
何かを感じ取ったかのように語りかけてきた。
あの声だった。
眠っているときに夢の中に出てくる幻聴だった筈。
実態のない声の主は朧気な私に入り込んできた。
受け入れるかどうかなんてお構い無しの様相。
居場所を見つけるとゆっくりと腰を下ろしたような感じがした。
薄明かりの部屋から抜け出したかのような錯覚が背中から押し寄せる。
あなたの得たいの知れない能力は時折世界観を歪めるけど、
言葉を交わすタイミングを探る私には遠くの風景でしかなかった。

「そうなんだよ▪▪▪」
敢えて説明などせずに呟いてみる。
声に出してぼそっと。
私の言葉は部屋の空気を揺らしながら、
何処かへすっと消えていった。
あの声の主まで届いたか分からない。
果てしなく広くなった空間の先に吸い込まれて、
呟いたことさえ否定されそうだったから。

「そう▪▪▪」
「そうだね▪▪▪」

途切れ途切れの中継のように言葉が重なる。
本当は今日みたいな日は誰でも良いから話したいのに、
いつも以上に繋がらないジレンマが襲いかかる。
でも気がつくと部屋の灯りが消えていて、
横たえた身体がベットに沈んでいた。
敢えて話しかけないでいていれてたの?なんて、
あれだけあったモヤモヤも引き際を悟ったかのように、
何処か行ってしまった。

目が覚めてそう感じていた。