2018年8月13日月曜日

ネイル

つい最近思い出した事がある。
かつて遊び人として過ごしていた頃の小さなこだわり。
清潔感をもって紳士に向き合うこと。
体を清め、髪型を整え、ほのかに香る香水もそれなりに。

自分を高める事は相手への礼儀。
対等であるためには精一杯の努力が必要なのだ。
例え気がつかないレベルの些細なところでも万全にケアをして、
最高の時間を過ごせるように挑んできた。

自分にとって究極の身だしなみはネイルケアだった。
指先が何よりも相手に近い距離にあるからかも知れない。
延びた爪を切り磨く。
傷つけないためのエチケット。
そこからやがて爪の表面を磨くところまで辿り着いた。
好きな音楽を聴きながら、映画を観ながら、ながらでできるからこそ、
出来ていたケアかもしれない。
誰かに気付かれる事もなく、知られようともせず、
ただ指先に通う神経が研ぎ澄まされるかのような錯覚を覚えて、
薄明かりに反射する爪の輝きに自己満足が投影する。

久しぶりに爪を磨いてみた。
人知れず輝く指先はやはり悪くない。
マニキュアやトップコートを塗るつもりもないが、
女性が指先に特別な思い入れをもってお洒落をする気持ちが少しわかる気がした。


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